虐待がある場合の親権はどうなる?民法改正のポイントをご説明
児童虐待防止のための民法改正について
法制審議会(法相の諮問機関)は15日、父母らによる児童虐待防止のために一定期間、親権を停止できる制度を新設する民法改正の要綱を決定し、江田法相に答申した。
停止期間は最長2年間で、家庭裁判所の審判で停止が決まる。
政府は、要綱に基づく改正案を3月に国会に提出する方針で、同改正案は今国会で成立する公算が大きい。
現行の民法にも、家裁の決定により親権を無期限で剥奪する「親権喪失」の制度がある。しかし、「親権剥奪は親子関係に与える影響が大き過ぎる」という声があり、ほとんど活用されていない。親権者の変更についてはこちらをご覧ください。
(2011年2月15日23時36分 読売新聞)
要綱には、虐待やネグレクト(育児放棄)などで「子どもの利益を著しく害する」場合、親族や子ども本人、検察官、児童相談所所長などの請求により、家庭裁判所が2年以内の期間を定めて親権停止を命じることができるとした。
停止期間は、親の状況や子どもの心身の状態を考慮した家庭裁判所の判断で、延長することもできる。
①児童養護施設などの法人や、②複数人が親権を持てるといった規定も、盛り込まれている。
児童虐待と親権問題について
今、社会問題となっている「児童虐待」問題ですが、政府も「民法改正」という措置に踏み込みました。
これは、非常に大きな改正と言えます。
現在まで、例えば離婚などでも、一度決めた親権者を変更するのは、非常に困難なことであったのですから。
しかし法律を改正し、親権者を一時的に変更したところで、当の親本人、また親子を取り巻くまわりの環境が変わらなければ、最終的な解決にはなりません。
虐待されている児童を保護するのが、もちろん最優先ではありますが、虐待する親を、これほど多く生み出した現在の社会背景を分析し、その原因の元を断ち切らなければ、真の解決には至らず、また虐待は繰り返されてしまうのです。。。
「虐待してしまう親」を生み出さない社会背景、そこまで遡らなければ「虐待」自体はなくならないのです。。。
また、離婚の際に子どもへの虐待の疑いがある場合には親権については慎重に取り決めを行う必要があります。
離婚後のトラブルを避けるため、子どもを守るために離婚協議書を作成し、しっかりと書面に残しておくことも大事なことです。
離婚協議書の作成、離婚については一人で悩まずまずはご相談ください。