無料の離婚相談は役所でもしてもらえる?
地域住民への行政サービスの一環
日本国内の都道府県の市区町村の多くで、地域住民への行政サービスの一環として、弁護士などの専門家に無料で相談できる市民相談会を開催しています。
さまざまな悩み事を聞いてアドバイスしてくれますので、住んでいる地区の納税者として、困ったことがある場合には、利用されてみるのも良いでしょう。
ただし、どこの役所でも行っているとは限りませんので、事前にお住まいの市役所などに問い合わせしましょう。
また、行政サービスですので、毎日開催はしていません、
決められた日時で予約制となっている地域が多いでしょう。
相談できる悩み事の中には、もちろん離婚に関するものも含まれていますが、予約の際に、「離婚に関する相談」と一言伝えておくのも良いでしょう。
相談時間は、殆どの役所は、「30分以内」で延長はできません。
30分はあっという間ですから、相談したい内容はメモにまとめておき、もし相談に必要な書類などがあれば持参し、有効に時間を利用するように努めてください。
時間が過ぎた場合は、その場で相談担当者が名刺を渡して、「あとはうちの事務所に来てください。」という話になる場合もあるかもしれませんが、そこは全くの任意ですので、必ずその相談担当に依頼する必要はありません。
もう一度ゆっくりその方に話を聞いてもらいたい場合は、連絡を取られても良いでしょう。
弁護士や税理士、司法書士、行政書士など団体によって、全く対応は違います。
(私の所属する行政書士会はその場で名刺を渡すこと、続きは事務所に来てくださいと言うことはいっさいありません。)
役所の無料相談を利用するメリット
もちろん一番のメリットと言えば「無料」であることでしょう。
また、なかなか民間の弁護士事務所などに出向くのは、料金の心配だけでなく、気後れしてしまう、どこの事務所に行って良いのかわからないという方にも、普段いつも利用している市役所などで、弁護士などの専門家に相談できるので、安心です。
相談担当も、各団体から認められた専門家が派遣されますので、信頼できます。
また誰に相談していいかわからない場合などは、役所の無料相談を運営しているセクションから、お住まいのお近くの専門家を紹介してもらえる場合もあります。
役所の無料相談を利用する際の注意点
例えば離婚相談をしたいということで役所の相談会を利用される場合ですが、「なんとか別れずに済む方法はないか?」とか「離婚した方がいいのか?離婚しない方がいいのか?」と言った問題を相談したい場合は、不向きと言えるでしょう。
まずは制限時間が30分、しかも無料相談の範囲の中で、個人の心の中に入って寄り添うことなどできません。
また離婚する、しないというのは、最終的にはご本人さまが決めることですので、その日に会ったばかりの相談担当に重大な答も求めても、何も回答することなどできません。
ただ、今まで知らなかった離婚に関する知識や情報など、問題解決の糸口になることはあると思います。
離婚問題で役所の無料相談を利用される場合は、離婚届などの「書類の書き方」「離婚協議書の書式」「公正証書作成の手続きの方法」など、「一般的な手続きなどの内容を相談されたい場合に適しています。
「養育費を取り決めたいが、夫からの提示金額が希望より低いのですが?」と言ったような個別具体的な相談には、あまり適していないと言えます。しかし、このご相談の場合、「お二人でお話し合いがまとまらない場合は、離婚調停という方法もありますよ」と言った一般的なアドバイスは可能であり、調停申し立ての手続きなどの説明を受けることができます。
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あくまで役所の無料相談は、「行政サービスの一環」でありますので、時間も30分、一回までとなっていることが多いです。
手続きの方法など知りたい場合は、非常に有効ですので、上手く利用されると良いかと思います。