協議離婚をする前に準備しておきたい5つの事
家庭状況にはそれぞれ事情があるにせよ、離婚後はそれまでの生活環境と一変します。結婚は勢いですることもできますが、離婚を勢いに任せてしてしまうと、後で自分が苦労することになります。離婚には計画性が必要ですので、事前の準備は欠かせません。
本章では、協議離婚を前提として、離婚を切り出す側が事前にどのような準備をしておけばよいのか見ていきます。
準備1:離婚後の生活について全体像を描く
離婚後の自分の生活について、自立して生活していくことができるか、現状で難しそうであればどうすれば良いのかを考えていきます。
例えば、現状、主婦であり仕事をしていないのであれば、自分でもできそうな仕事を探しておく、可能であれば実際に就労してお金を稼いでみても良いでしょう。 離婚してからいきなり仕事に就くというのは、大変です。 会社勤めからブランクが長い場合などは、毎日同じ時間に満員電車に乗り出勤すること、これだけでも慣れるまでは辛く感じることもあるでしょう。。また人間関係のストレスなども多少はありますので、離婚するまでにパートでも良いので就労の習慣をつけておくことは非常に大切なことです。子どもがいれば、自分が引き取った場合はどうするか、未就学児の場合は、どこに預けるのか?保育所や学校をどこにするか?実家の両親の助けを借りることができるか?なども事前に検討しておきます。
準備2:請求できるお金を把握する
離婚に際して相手方配偶者に請求できるお金の項目と、概算金額を予想してリスト化しておきます。
項目としては一般的に以下のような名目金となります。
①は不倫に伴う精神的苦痛の慰謝、および不倫を起因として離婚に至った分の慰謝などです。①は未成年の子どもの養育監護に必要な費用です。子どもの進学などにかかる費用なども別途こちらも項目として話し合うこともあります。
②は夫婦が結婚してから築き上げた財産(相続財産、特有財産などを除く)を公平に分け合う項目です。対象は、不動産、預貯金、自家用車、生命保険、退職金など多岐に渡ります。
③は配偶者から受けた精神的苦痛に対する慰謝料で、全ての夫婦にある項目ではありません。具体的には配偶者の不貞行為に対する慰謝料や相手から受けた暴力、暴言などに対する慰謝料などです。また離婚に至ってはいないが、現在、別居している、又は、近々別居するという夫婦は、婚姻費用の取り決めも必要です。別居に至った際の、夫婦の扶養義務に基づく生活資金ことです。
これらの費用については算定の仕方が分かりづらいので、離婚事案に強い行政書士など専門家に相談するのがおススメです。
準備3:証拠集め
相手方配偶者が不倫している、自分がDVを受けているなどの事情がある場合には、これらの証拠の収集もしておくようにします。もし協議が上手くいかず裁判になった時には、証拠がなければ離婚の成立や慰謝料の請求が難しくなる可能性があります。
準備4:住居の用意
離婚後に現在の住居を離れる場合に、しばらくの間生活の本拠にできる住居の目途をつけておくようにします。安定した住居が無いと就職の際にも困ることになります。実家が頼れそうであれば、しばらくの間身を寄せる先としては安心です。子どもがいる場合は、保育園や就学先との絡みもあるので調整検討が必要です。
準備5:お金を貯めておく
準備1とも関係しますが、離婚直後の時期は何かと出費がかさみます。準備4の住居の確保でも実家以外は費用がかかります。働いてお金を稼いでおく、やりくりを工夫してある程度の資金を準備しておくなども有効です。
まとめ
今回は離婚を切り出す側が事前にどのような準備をしておけばよいのか紹介いたしました。離婚を検討している場合は、離婚にはどのような手続きが必要かを把握し、話を切り出す前に必要な準備が整えられているのか、漏れなくチェックすることが大切です。離婚をお考えの場合は、紹介した内容を参考に離婚をスムーズに進められるよう準備を始めてみましょう。